【新コロ】【武漢熱】ここが変だよ「大阪モデル」 [時事ボヤき]

令和2年5月5日、吉村大阪府知事が、
自粛要請と解除の基準、所謂「大阪モデル」を発表しました。

自粛解除へ「大阪モデル」 独自基準3項目を公表:日本経済新聞

吉村知事によると、基準は4つあり、
1つめは、新たに発見された感染経路(リンク)不明陽性者の増加比(前週比1未満)
2つめは、新規陽性者におけるリンク不明数(10人未満)
3つめは、新規PCR検査での陽性率(7%未満)
4つめは、重症の患者を受け入れる病床使用率(60%未満)
(5月4日時点で、1=0.68、2=7.29人、3=4.5%、4=33%とすべて基準値以下)

ということらしい。

でもね、変だと思うんです、これ。

※まず、話の前提として押さえておきたいポイントは・・・
『ウイルスは移る相手がいると、増える』
このポイントを押さえながら、大阪モデルの基準を見ていきましょう。

1つめはつまり、「前週よりも感染経路不明陽性者が増えない」ということ、
そして2つめは、「新規陽性者が10人未満」
この2つに関して、大阪府の感染動向(https://covid19-osaka.info/)を見てみましょう。
Screenshot_2020-05-06 大阪府 新型コロナウイルス感染症対策サイトScreenshot_2020-05-06 大阪府 新型コロナウイルス感染症対策サイト(1)
病院などでの集団感染を除いて、
陽性者のうち約半数が「リンク不明」つまり感染経路不明の陽性者です。
「感染者と接触したわけじゃないけど、いつの間にか感染していた」
という方々です。
図表の右上に、「52.07%」と明記されています。
要するに『陽性者の半分はリンク不明者(感染経路不明の陽性者)』です。
(偽陽性というものもありますが、ここでは分かりやすくするために省きます)

さて、現在の大阪府は外出自粛中で、
そもそも外を出歩く人が少ない状態で、半数がリンク不明です。
外出自粛を解除したらどうなるでしょうか?

分かりやすく、仮の数値を使ってシミュレーションしてみます。
リンク不明感染が起こる確率が1日で1%だとしましょう。
外出自粛で、外を歩く人が1日で500人だとすると、
リンク不明感染者は5人現れます。
自粛を継続している間は、この5人は増えることはなく、
大阪モデルの1つめ『前週よりも感染経路不明陽性者が増えない』ということ、
2つめの『新規陽性者が10人未満』を満たすことができます。

そして3つめ4つめの基準も満たして、
「よかった、自粛を解除しよう、経済も大事だしね!」と自粛を解除したとします。
外を歩く人が10倍の5000人に増えたとしましょう。
リンク不明感染が起こる確率が変わらなければ、
5000人の1%、つまり50人のリンク不明感染者が現れることになります。
一気に1つめ2つめの基準を超えてしまいます。

つまり、はじめに確認した
『移る相手がいると、増える』ってことです。

ついでに加えれば、
『リンク不明感染者は、次のリンク確認感染の元になる』
ということ。
新たな感染爆発の始まりです。

つまり、
自粛解除をするために「人数」を基準にするのは、
間違っているのです。
重要なのは「人数」ではなく、「リンク不明率」の方です。

では、どうすれば「リンク不明率」は下がるのでしょうか。
①府民、国民の生活様式を変えて、
 国民ひとりひとりが、感染を予防する生活をする
②国民が広くウイルスに対する抗体を持つ
有効なワクチンや治療薬がない現状では、
この2つしか方法はありません。

日本政府、内閣は、都道府県知事に対して
自粛の要請と解除については
「地域の状況を踏まえて都道府県知事に判断して欲しい」と求めています。
『令和2年5月4日 緊急事態措置の維持および緩和等について』

日本維新の会の方々や、橋下徹さんは、
「国が基準を示せ!」と政府を批判しますが、
いえいえ、国全体で一律に基準を決められるものではないんですよ、これは。
大阪府と秋田県では、地域の状況が全然違いますよね?
それこそ、大阪府には人がウジャウジャいますし、
秋田県には「郡部については普通の時も人が歩いてませんので」
(秋田県知事談)
だから国ではなく、都道府県知事が判断するんです。

吉村知事や維新の会の面々は、
そこを分かっていながら日本政府を批判しているのか、
分からずに批判しているのか・・・
どちらにしろ、感心しませんね。

吉村知事を絶賛する方々にも、よくよく考えていただきたく思います。

それと、大阪モデルの3つめ4つめの基準ですが、
3つめの『新規PCR検査での陽性率(7%未満)』ついて。
吉村知事は「保健所を通さずにどんどんPCR検査をやりたい!」と
息巻いています(実際そのように見えます)
ということは、
「不安だからPCRする」「ただの風邪っぽいけどPCRする」
という人がどんどん増えれば、
PCRの検査数と陰性率がどんどん増えて、
結果的に陽性率は下がります。
それって感染リスクが下がったことになるでしょうか?

4つめの『重症の患者を受け入れる病床使用率(60%未満)』
ですが、こちらもPCRと同じく、
病床全体の数を増やせば、
病床使用率=病床使用数÷病床全体の数ですから、
現在、大阪府が進めているように、とにかく病床を確保すれば、
いくらでも病床使用率は下がります。
それって感染リスクが下がったことになるでしょうか?

令和2年5月6日、西村経済再生担当大臣が会見で
「(吉村知事が基準を)国が示さないから大阪が示すと。
 何か勘違いをしているんではないか。強い違和感を感じています。
 ご自身で休業要請されて、ご自身で解除されるわけですから、
 ご自身で説明責任を果たすのは当然であります」
とおっしゃったのは、至極真っ当だと思います。

そのうえ、吉村知事が示した基準は、
的外れと言わざるを得ません。

大丈夫か?大阪。

首相官邸が国民に対して示している事が、
一番信頼のおける情報です。
大阪府がどんな基準でどう自粛要請と解除をしようと、
「自分を護るのは自分だ」
という強い意志で、
どうか皆さまもご無事にお過ごしください。


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